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食べられる薔薇と観賞用の薔薇の違いとは?
目次
食用バラと観賞用のバラの違い その1【育て方】
観賞用のバラに求められるのはズバリ、「見た目」です。
葉や花びらに、シミや斑点があると、観賞用のバラとして売れにくくなります。
シミや斑点のないバラを育てるために、切りバラ農家は化学農薬を使って薔薇を育てます。また、化学農薬を使うと病害虫が減るため、生産が安定し、経営に影響を与えます。
バラに噴霧された農薬は、虫や病気を殺すだけでなく、バラの花や葉や茎に残ります。(残留農薬)
また、農薬は雨等により土壌に流れたり、飛来した鳥や昆虫に付着したり摂取される場合もあります。
農薬は、農林水産省「農薬取締法」によって、使用してよい農薬の種類や、量を定めています。
特に、使用量については、「毎日一生とりつづけても健康への影響がない」前提で定められています。
プロの農家が使用する農薬の多くは、原液で販売されており、使用時に農家が希釈して使用します。
時折、ニュースで「高濃度の農薬が検出された」という事故があるのは、人為的ミス(希釈を誤った)がほとんどです。
観賞用のバラを栽培する農家にも、野菜や米、果樹農家と同様、定められた使用方法を厳守する義務があります。
市販されている食用バラのなかには、化学農薬を使用しているタイプもあります。
残留農薬不検出証明書を保有している農家の食用バラを選ぶようにしましょう。
食用バラと観賞用のバラの違い その2【品種】
観賞用のバラは、花束やかご花(フラワーアレンジメント)やウエディングブーケに つかわれることが多いでしょう。花束用には、枝が30~60センチまっすぐ長く伸びる 品種である必要があります。そのほか、大輪か小輪か、花の直径も品種選びの基準になります。
食用バラの品種は、観賞用のバラと異なり、
「食味」「香り」「色」「収穫量」「栽培管理」を総合的に判断して選ばれます。
食味 | 味 | 甘味、酸味、えぐみ |
食感 | 噛み応え | |
香り | 方向性 | ダマスク、フルーツ、ミルラ、ブルー、ティー |
強弱 | 香りが強い、香りが弱い | |
色 | 色の種類 | 赤、ピンク、オレンジ、黄色、白 |
色の強弱 | 色素の強い弱い | |
収穫量 | 収穫時期 | 春~秋、春のみ |
収穫量 | 1株あたりの収穫量の多少 | |
栽培管理 | 剪定 | 1株あたりの剪定数の多少 |
誘引 | 誘引の要不要 | |
病害虫 | 黒星病への耐性、うどんこ病への耐性、チュウレンジハバチ |
食用バラは観賞用のバラに比べ用途が広く、「飾る」以外に 「食べる」 「飲む」 「肌につける」 用途もあります。
用途によって食用バラの品種の適性は変わります。
・食べる →美味しさ(美味しそうな色、香り、食感、味)+栄養価+加工のしやすさ
・飲む→美味しさ(美味しそうな色、香り、味)+栄養価+加工のしやすさ
・肌につける→有効成分+加工のしやすさ
食用バラを「食べる」商品例
ローズコンフィチュール(薔薇ジャム)
おすすめの食用バラ苗
1 香りの強さと香りの方向性
2 加熱時、美しい薔薇色が抽出できる色素をもつこと
3 加熱時、細胞壁が融けてしまわずに、
花びらの食感が楽しめること
食用バラを 「飲む」 商品例
ローズエキスとは、食用バラ(化学的に合成した農薬を使わずにそだてた薔薇)から抽出した液体のこと。
ミネラルウォーターや炭酸水に数滴入れると、バラの香りのお水になります。
常飲し続けると、汗をかいたとき汗腺からバラの香りが放出される可能性があります。
ローズエキス(ローズウォーター)におすすめの食用バラ苗
1 香りが強い
2 年間の収穫量が多い
ローズリーフ(バラの葉のローズティ)におすすめの食用バラ苗
1 加工した際、色が退色しにくい
2 芳香性の質と香り高さ
3 年間収穫量が多い
食用バラを「肌につける」 商品例
ローズエキスにおすすめの食用バラ苗の条件
1 香りが強い
2 香りの輪郭がはっきりしていること
3 年間の収穫量の多さ
食用バラと観賞用のバラの違い まとめ
マンションのベランダや家庭菜園でも食用バラを育てることができます。
薔薇をそだてることは、地球温暖化抑制にもつながるだけでなく、咲いたバラでジャムを手作りしたり、お風呂に浮かべたり・・・。
水蒸気蒸留器があれば、ローズウォーターもつくれます♪
自分で咲かせた薔薇でつくれば、保存料も合成香料も入っていない、新鮮なローズウォーターが手に入ります。
薔薇の品種えらびや、バラのそだてかたについてご質問がありましたら
ナカイローズファーム【公式LINE】からご相談ください!
解説:中井 友實榮 ナカイローズファーム 株式会社バラの学校 代表取締役 農林水産省 農業女子プロジェクトメンバー 2011年東日本大震災をきっかけに食用バラの露地栽培をスタート。 食用バラの普及を通じて心と体を健康にし、社会貢献をめざしています。 |