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バラが黒星病になったら?黒星病になる原因・予防と対策
バラの黒星病とは?症状は?
バラの黒星病は、バラがよくかかる病気のうちの一つです。黒点病(こくてんびょう)とも呼ぶ情報もありますが、正式名称は黒星病です。
黒星病はバラ以外の植物にも発生しますが、バラとは異なる菌です。
春は、健康な葉でいっぱいのバラが、晩夏~秋にかけて、だんだん葉が減り、晩秋には葉っぱが一枚もついていない薔薇をみかけたことがないでしょうか?
そんなとき、バラの株元を観察してみてください。枯れた葉がたくさん落ちているはずです。
バラの葉が黒星病にかかると、茶色や黒色の病斑が葉に現れます。
黒星病が進行すると、やがて葉全体が黄変し、その後落葉します。
そのため、光合成ができなくなり、バラの株全体が衰弱します。
バラの枝に黒星病の病原菌が侵入すると、黒色の斑点が現れます。
バラが黒星病にかかる原因
バラの黒星病は、黒星病の病原菌である糸状菌がバラの体内に侵入することで発病します。
★豆知識★うどん粉病の病原菌も糸状菌です。
黒星病の病原菌である糸状菌は、空気中や土壌にいます。風や、降雨による土壌の跳ね返りによって、空気中や土壌にいた黒星病の病原菌がバラの体内や表面に侵入します。
病原菌は、胞子や耐久体(たいきゅうたい)(※)の状態で侵入します。
※耐久体とは、病原菌の餌や水が乏しい環境下でも長期間生き残れる特殊な生命形態のことです。
バラに侵入した黒星病の病原菌は、バラが枯れたり、摘み取られても、バラの遺体や残渣を利用して、
しばらくの間、増殖しながら耐久体となって生き残ります。
餌や水分が枯渇したり、他の土壌菌からのアタックにより黒星病の病原菌が死滅する場合もありますが、
生き残った耐久体の病原菌が、別のバラに感染することで、黒星病の感染は拡大します。
バラが黒星病にかからないための予防薬や方法
費用対効果の高い順に
<土壌からの感染を防ぐ>
降雨による土壌の跳ね返りを抑えると、土壌からの感染を防ぐことができます。
土壌に雨があたらないよう傘をさしたり、ハウスで育てたり、バラの株元にビニールやもみ殻を敷く方法などがあります。
<空気中からの感染を防ぐ>
黒星病の病原菌である糸状菌がいない環境で、バラをそだてることは物理的にかなり難しいです。そのため、糸状菌がいる空気のなかで、バラを感染させないことが予防になります。糸状菌のような、病原となる微生物は、非病原となる微生物が多い環境下では、餌の獲得競争に負けることがあります。多様な非病原菌が存在する環境では、病原微生物の増殖が抑制されるのです。つまり、多様な非病原菌がいる環境をつくることが、黒星病の予防になります。バラが黒星病にかかったときの治療薬と対策
<黒星病の病原菌が侵入した葉や枝を取り除く方法>
取り除いた葉や枝は、その場に放置せずに、焼却ゴミとして処理しましょう。放置すると、感染源となってしまいます。
<黒星病の病気が発生している葉や枝を菌で対抗する方法>
観賞用のバラには、黒星病の対処薬剤としてさまざまな薬剤散布用の殺菌剤が発売されています。
例:トリホリン乳剤(サプロール乳剤)、ベノミル水和剤(ベンレート水和剤)、
クロチアニジン・フェンプロパトリン・メポニピリム水和剤(ベニカXファインスプレー)
ナカイローズファームでは食用にバラを栽培していることから、食べられる殺菌剤を散布しています。
この方法や効果は、教育プログラム生限定で講義しています。
解説:中井 友實榮 ナカイローズファーム 株式会社バラの学校 代表取締役
農林水産省 農業女子プロジェクトメンバー、農山漁村発イノベーション中央プランナー
2011年東日本大震災をきっかけに食用バラの露地栽培をスタート。
食用バラの普及を通じて心と体を健康にし、社会貢献をめざしています。
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